フランス大統領マクロン氏が経済大臣であったときも修業学習(Apprentissage)の重要性を強調していました。(修業としたのはゲーテ著「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代Wilhem Maisters Lehrjahre」による)修業学習の根底には社会全体で若者のためにその専門職能を育成することを実現するという哲学があります。それを紹介しようとすると多くの研究者の協力が必要でしょう。
それは、フランス社会で経済的社会的文化的に恵まれた人々が進学する大学や高等専門学校(グランゼコール)のルートではなく、職人仕事などの労働者階層の人々が学習しやすいルートを提供して、従来の徒弟制度を改革することを目指したものです。
従来の徒弟制度は中等教育レベルの訓練でしたが、現在進行している修業学習は高等教育レベルであり、理論と実践とを循環する学習を実現するもので、授業料が無償であるだけでなく、さまざまな優遇策が講じられています。
企業での修業学習の採用率はつぎのようで、小規模企業に有利に機能しています。
250人以上の従業員 17.2%
50-250人の従業員 8.9%
10-50人の従業員 18.6%
0-9人の従業員 55.4%
フランス全土の(給与付き)見習い募集中の企業と、
就業・修業希望者とのマッチングサイトもつくられました。
▼マッチングサイト
地域振興と就業率向上をかけあわせたしくみとして、
一種のモデルとなりそうです。
2018年1月29日に協議会から労働大臣あてに報告書が提出されました。そこでは44項目の提案がなされていますが、その文脈からapprentissageの訳を修業教育から修業学習に訂正しました。