常日頃、当研究所のためにさまざまなご支援と援助を頂き深く感謝申し上げます。
早いもので当研究所を立ち上げまして4年が経過しました。特定非営利活動法人 学習開発研究所として出発する際に、学会や研究会などとは違って公的機関である法人としての社会的責任を果たすためにその存立基盤を確立することをまず念頭に置きました。
事務所が存在すること、電話をもっていて問い合わせに対応できること、専任の所員が事務的仕事を処理することができることなどです。そのためには3年間の期間と数百万円程度の資金を準備する必要があるだろうと覚悟しておりました。
幸いにも事務所として使える場所と電話はありました。また専従所員となるものが自らの専門知識を生かした仕事を担当してある程度の定常的収入を確保できる見通しがありましたので、それを中心にスタートすることとしました。具体的には教育用コンピュータ設備の保守管理と私立幼稚園保育士の研修を実施していたこと、さらに科学研究費による教育技術ならびに学習教材の開発の補助金を充当することによって、その間に経済基盤を確保するとともに、会員からの会費、賛助会員からの援助などによって法人としての活動を継続することができました。
その間に会員へのサービスは十分でありませんでしたが、営利団体ではなく非営利団体としての研究所の特性をご理解して頂き暖かく見守って下さったことを深く感謝申し上げます。
2007年4月には幼稚園保育士の研修を担当しておりました大橋功が東京未来大学に就職しましたが、引き続き理事として研究所の経営に責任をもってあたることとなり、多忙ななかを研究所のために事業を推進しております。また、2007年4月には科学研究費だけでなく佛教大学ならびに佛教大学総合研究所の研究費によって研究開発しておりました協調自律学習をベースとしたチーム学習の教材をミネルヴァ書房から出版することができました。この開発にあたっては西之園や宮田会員の他に、専従所員である望月が担当しました。とくに望月は開発過程で求められたコーチング技術を専門的に習得するため、株式会社コーチ21のプロフェッショナル養成研修を1年半〜3年の予定で受講しており、今後の事業に活躍してもらえるものと期待しております。
なお、チーム学習教材の開発成果と開発に関する方法論の研究成果を国内の学会はもちろんのこと、とくにヨーロッパでの会議で発表して好意的な反響を得ることができました。このように研究所の研究成果として世に問うことができたことは皆さまのご支援のお陰であると深く感謝しております。
2008年度につきましては、さらに一層の飛躍が約束されております。京田辺市教育委員会の「情報教育コーディネータ派遣及びシステム管理保守委託」事業を受託することに決定しました。これによりシステム運用管理に加えて、教育情報化全般に関するサポートをすることになります。さらに現在、京都市教育委員会と2008年度の中学校初任者研修のうち3.5日間分を当研究所が実施することについての話し合いが進行中です。このようなことが決定されたのが総会開催通知の後でありましたので、新年度の計画については大幅に修正して改めて臨時総会を開催するか、あるいは書面にて了承を得るように致します。
以上のように事業が拡大しましたことを受けて、総務としての仕事が増えますので、非常勤として岡田洋さんに参加して頂くことをお願いすることとなりました。岡田さんは内田洋行株式会社で営業を担当しておられた方ですが、外部との交渉などにいろいろとご活躍していただくことができるかと思います。西之園も2008年3月末をもって佛教大学を退職し、研究所の代表としての仕事に専念できます。今後できるだけ専門性を活かした事業を企画し受注する仕事を増やして事業費を中心に運営するように努力して参ります。
なお、最後に確認しておきたいことは、NPO法人は営利団体ではありませんし、利益を出資者に配分することが目的である「企業」でもありません。われわれの研究所は教育・研修現場で当面している問題に対して、さまざまな専門知識と技術をもっておられる専門家を結集してその問題解決に寄与することを目指しておりますので、今後の事業の推進にあたりましては会員の一層のご協力をお願いしたいと存じます。また会員の相互研修による専門性の向上を目指した事業も推進して参りたいと存じますのでよろしくお願い申し上げます。
NPO法人として立ち上げる際に研究所という大仰な名称にしましたのも将来的にはネット上でのバーチャル研究所として教育研修の問題解決に寄与することを念じております。経営につきましては西之園、大橋、三輪の3名の理事が責任をもって当たりますが、運営に関しましては今後さらに具体的なプロジェクトを組織するなりして会員の皆さまにご相談したいと存じますので、今後とも皆さまの積極的なご提案ならびに事業推進に参加して頂けることを期待しております。
代表 西之園晴夫